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「空き家率全国1位」の現実に学生が向き合う。特産松きのこの収穫から「うだつの町並み」再生まで、にし阿波の魅力を未来へ繋ぐ地域活性化のレポート。




【活動レポート目次】


1. 地域資源の活用:松きのこ栽培と収穫体験

  • 松きのこの特徴と栽培: 世羅町誕生のシイタケ仲間「松きのこ」の栄養価と特徴について

  • 収穫体験レポート: 菌床からの収穫のコツと、参加者の体験を通じた感想


2. 空き家問題の現状と利活用の推進

  • 徳島県・三好市の深刻な実態: 全国一の空き家率を記録する徳島県と、直面する課題

  • リノベーション事例「真鍋屋(MINDE)」: たばこ工場を交流拠点(カフェ・オフィス等)へ再生した事例

  • 利活用における障壁: 所有者特定や改修・維持管理の難しさ、職人不足などの現実的な課題


3. 「にし阿波」の地域ブランディングと観光

  • 「千年のかくれんぼ」戦略: 美馬市・三好市等による観光地域づくりとブランド化 。

  • 体験型プログラム「あわこい」: 地域資源を活かした住民参加型イベントの費用対効果と満足度

  • 教育旅行と「ほんもの田舎体験」: 民泊を通じた修学旅行生と地域住民の深い交流と持続可能性 。

  • 交流会


4. 創造と交流の拠点づくり

  • 「ADLIV(アドリブ)」の業態転換: 印刷会社からコミュニティ・宿泊・創作スタジオを備えた複合施設への変革 。

  • 多角的な地域貢献: ZINE制作支援、6次産業化支援、キッチンカー運営による防災連携 。

  • 歴史的街並みの保存: 「うだつの町並み」の伝統工法による修復と、歴史的価値の継承 。


5. 総括:大学生への期待と今後の展望

  • 視察を通じた学生の気づき: 現場を歩くことで実感した空き家問題の重大さと可能性 。

  • 地域と大学の連携: 若い視点によるPR、起業、リモートワークを通じた地域活性化への期待



【1】マツタケの香りとシイタケの旨み?ウマバプロジェクトで育てる「松きのこ」の魅力と収穫体験




松きのこは、日本有数のマツタケ産地である世羅町で、きのこの人工栽培研究の過程から誕生したシイタケの仲間のきのこです。ビタミンやβグルカンが豊富で栄養価が高く、太く締まった軸と芳醇な香り、ほんのりとした甘みが特徴で、食べると口いっぱいに香りが広がります。


ウマバプロジェクトではこの松きのこを栽培しており、私たちは実際に収穫を体験しました。菌床を押さえ、松きのこを軽く揺らしながら根元を持って収穫することがポイントです。


特に、きのこが密集して生えている場所は作業が難しいと感じました。最初は、自分の手で収穫するため、途中で折れてしまわないか不安でしたが、実際にやってみると簡単で、参加者全員が楽しみながら次々と収穫することができました。短い時間でも多くの松きのこを収穫でき、とても貴重な体験となりました。


レポート担当 安部颯人、松本千紘



【2】空き家率全国1位からの挑戦:たばこ工場が交流拠点に!「真鍋屋(MINDE)」に学ぶ、負の遺産を地域の宝に変える方法

(一社)四国まんなか創造推進協議会代表理事 丸浦世造 氏


少子高齢化や人口流出等の影響により、空き家問題が深刻化しています。

2023年時点で全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%と、過去最高の値を記録しています。そのなかでも、徳島県内の空き家率は全国で最も高い21.2%であり、今どこよりも空き家問題に直面している県であると言えます。この問題の解決を図るべく、徳島県で空き家率が最も高い三好市では、空き家をリノベーションし、新たな価値を持たせるための取組が積極的に行われています。

 

講演場所の「真鍋屋」(MINDE)も、たばこの製造工場をリノベーションし、地域の交流拠点として生まれ変わらせた施設です。施設内には、カフェやレンタルオフィス、移住者支援の窓口などが設置されています。ウマバプロジェクト参加者も施設内を見学して真鍋屋の魅力を体感し、空き家利活用の可能性を実感しました。

 

一方、空き家の利活用には、空き家所有者の特定や利活用への許諾を得ることなど、様々なハードルがあり、取組が思うように進まないのも事実です。

 

真鍋屋周辺を視察すると、そこかしこに空き家が点在し、中には手つかずのまま荒廃しているものもありました。
真鍋屋周辺を視察すると、そこかしこに空き家が点在し、中には手つかずのまま荒廃しているものもありました。

 

徳島県の空き家数が多いことは認識していましたが、空き家問題の内実や実情を自分の目で目の当たりにしたのは初めてでした。空き家は建物崩壊のリスクや衛生環境・治安の悪化、固定資産価値の低下などの問題をはらんでいます。これらは地域の衰退とも直結している問題です。前述のとおり、徳島県は全国一位の空き家率を記録しています。そんな徳島県だからこそできる人流創出、それこそが空き家の利活用ではないかと感じました。(吉田空生)

 

今回の三好の街並みを歩くことによって、空き家の活用方法を考えるいい機会になりました。私の実家は隣が空き家で身近に空き家問題を感じることができましたが、そこまで重大な問題として考えていませんでした。しかし、今回三好の街並みを歩いたことによって空き家がサテライトオフィスに活用されている事例や逆に、空き家として放置されている事例を実際に見ることができ、近所の空き家もどうにか利活用できないか考えるきっかけになりました。


また、丸浦さんの話を聞いて、空き家を活用するにも、何のために、何をどのように、だれがやるかということを考えないと、上手に空き家を活用することができないことなど、空き家数が徳島の中でも1位の三好市から学ぶいい機会になりました。(浜田紗菜)


レポート担当 吉田空生、浜田紗菜



【3】ウマバプロジェクト会議への参加&交流会


今回はそらの郷の福永さんにお話を聞きました。そらの郷では地域の稼ぐ力を引き出す、観光における舵取り役を担われています。その中でも徳島県の美馬市、三次市、つるぎ町、東みよし町で構成された「にし阿波」の地域ブランディングと経済再生に取り組まれ、住んでよし・訪れてよしの観光地域づくりで、にし阿波地域を「千年のかくれんぼ」と称し無垢の里として地域ブランディングを進めているそうです。


「にし阿波」の魅力を知ってもらうため海外で現地プロモーションを行ったり、大手旅行会社と連携し、外国人観光客のツアー参加者を増やしたり体験プログラムイベントして「あわこい」を実施されたりしています。「あわこい」とは地域資源を活かして地域住民が紹介する参加体験プログラムを短期集中的に提供するイベントで「住んでよし」取組の理解浸透を図っています。旅行客が遊ぶ場所がないということから「あわこい」が始まり、「あわこい」から事業になると地域活性化にもつながります。


そのプログラムの内容である着付け体験や横ぶえ練習会、ほうきづくりはどれも非日常を味わえる「にし阿波」の唯一無二のコンテンツだと感じました。この「あわこい」は広告宣伝費の出資額に対しての費用対効果はそれ以上で住民満足度も高いそうです。


また、体験型教育旅行(修学旅行)として「ほんもの田舎体験」や「オプショナルプログラム世界農業遺産学習」も実施されています。田舎体験では農作業体験や共同調理体験として急傾斜地での伝統農法や伝統的な和食を作り実際に体感して持続可能性について考えます。 オプショナルプログラムではそれに加え修学旅行として来る生徒たちに事前学習をしているそうです。この体験では受け入れる側と生徒さんが帰るころには家族のようになっており、受け入れの方たちが帰らないでくれと泣くほど、どちらにとっても良い関係の構築ができているとおっしゃっていました。


今回、お話を聞き今まで詳しく知らなかった「にし阿波」の魅力を知りました。衰退化していく田舎にも他にはない魅力を見出し、それを事業として進めていくことで地域活性化をするというサービスを提供する側も提供される側双方に気づきやメリットがある活動として感動しました。わたしの出身地である尾道市も厳しい状況にあるので今後考えてみようと感じました。

レポート担当 金野真人、山本将輝


真鍋屋での意見交換

(一社) そらの郷常務理事 安西弘詞 氏

(一社) そらの郷スタッフ 福永晃大 氏

(一社) 四国まんなか創造推進協議会代表理事 丸浦世造 氏

 

「体験型教育旅行」 (一社) そらの郷スタッフ 福永晃大 氏
「体験型教育旅行」 (一社) そらの郷スタッフ 福永晃大 氏

  三好エリアの意見交換会では、主に空き家問題と体験型教育旅行の課題、そして大学生の連携への期待が共有されました。

 

学生らは、実際に街を歩き、場所によっては「二軒に一つが空き家」という実態や、手入れされていない空き家の多さを再認識しました。

丸浦氏からは、空き家活用には成功事例もあるものの、所有者探しや改修費に加え、所有者の意識や改修後の維持管理の難しさが大きな障壁であり、手続きも簡単ではないという現状が共有されました。

 

また、福永氏からは、小・中学校の客層が多い体験型教育旅行(民泊)について議論されました。受け入れ農家110軒のうち約7割が高齢の運営者であるため、高齢化と減少が喫緊の課題です。汲み取り式トイレなどの地域の暮らしを体験させることの価値も共有されました。


これらの課題に対し、地域側は大学生の力を借りることを期待しています。空き家活用では地域での起業やリモートワークでの貢献することができるアイデアを、教育旅行ではゼミ単位での参加や、大学生の視点からのPRなどの魅力発信を通じた協力を求めています。学生の新しい視点による地域の魅力再発見が、活性化の鍵とされています。


レポート担当:徳島文理大学 山下竜輝、柳澤寿希


【4】アーティストを呼び込む「アドリブ大学」から、防災・6次産業化まで!異業種交流が生み出す創造拠点「アドリブ」の可能性



ナカガワ・アド(株) 企画部部長 篠原誠 氏

美馬市役所経済部観光交流課 主事 金見翔太 氏

 

篠原氏が話された、創業65年の印刷会社から業態転換した「ADLIV(アドリブ)」は、大型印刷機を撤去し、コミュニティ・宿泊・創作スタジオを備えた複合施設となりました。これは、印刷業の装置産業からの脱却と、地域交流・課題解決を目指したものです。



リソグラフを活用したZINE制作支援でアーティストを呼び込み、「アドリブ大学」で異業種交流を促進しています。さらに、「アド畑事業部」では一次産業の6次産業化をトータル支援を行っています。徳島県キッチンカー協会を運営し、災害時には自治体と連携した炊き出し支援を行うなど、創造と交流の拠点として地域活性化と防災に貢献しています。

 

一方、金見氏が話された、かつて藍染めで栄えた地区は、昭和63年に全国で28番目に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

裕福な家しか設置できなかった防火壁「うだつ」など、 手間をかけた伝統工法の建物は、職人技で丁寧に修復されています。これは吉野川の氾濫による藍栽培の歴史的背景と、古い街並み維持のルールに支えられています。 屋根の復元では、1階に古い瓦、2階に新しい瓦を使うなど、歴史的価値と実用性の両立が図られています。しかし、左官職人不足などが復元の課題です。

近年、空き家不安から住民意識が変わり、活用への好循環が生まれ、電柱地中化と合わせ、伝統を活かした活性化が加速しています。


レポート担当 山下竜輝、佐々木凛



【ウマバレポート】徳島・にし阿波の地域活性化を巡る視察まとめ


特産品「松きのこ」の可能性 芳醇な香りと高い栄養価を持つ「松きのこ」の収穫を体験。楽しみながら地域の食資源を学びました 。


  • 深刻な空き家問題と再生拠点 空き家率全国1位の徳島県において、三好市の「真鍋屋(MINDE)」のように古い建物をリノベーションし、交流拠点やオフィスへ変える取組を視察しました 。


  • 体験型観光「千年のかくれんぼ」 にし阿波地域では、農泊や伝統体験を通じた教育旅行を実施。住民と学生が家族のような絆を築く、心温まる地域ブランディングを学びました 。


  • 伝統保存と企業の業態転換 美馬市の「うだつの町並み」保存の取組や、老舗印刷会社から複合施設へ転換した「ADLIV」など、伝統維持と革新的な挑戦の両立を確認しました 。


  • 大学生への期待 地域側は、空き家活用や魅力発信において、大学生ならではの新しい視点や発信力に大きな期待を寄せています 。


徳島文理大学総合政策学部

安部 颯人、松本 千紘、吉田 空生、浜田 紗菜、金野 真人 山本 将輝、山下 竜輝、柳澤 寿希、山下 竜輝、佐々木 凛

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(一社)三好みらい創造推進協議会  徳島文理大学

三好市  四国電力(株)    四国旅客鉄道(株) 

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