産官学の共創が拓く三好市の未来:ウマバプロジェクトを通じた地域資源の再定義と学生の主体的な挑戦第【第1回ウマバSDGsアカデミー活動報告】
- 勇起 床桜
- 2025年11月1日
- 読了時間: 9分
更新日:14 時間前


目次
1. 「ウマバプロジェクト」が描き出す地方創生の新たな設計図
(一社)四国まんなか創造推進協議会 丸浦世造 氏
https://www.miyoshi-mirai.jp/
【官民連携による課題解決】
人口減少時代において、「民」は収益確保や事業継承、「官」は税収減やコミュニティ維持という課題を抱えています 。これらは互いに関連しており、解決には経済活動と社会課題解決を両立させる官民連携が不可欠です 。官民が互いのメソッドを掛け合わせ、さらに学生の発想を融合させることで、地域課題をテコに新たな価値を創造するのが「ウマバプロジェクト」の本質です 。
【学生の参画と「関係・活躍人材」の創出】
丸浦さんは、学生が本プロジェクトに継続的に関わることは、自己の存在価値を高めるだけでなく、就職活動での「ガクチカ」としても大きな経験になると語りました 。移住・定住という枠組みを超え、三好市と深く関わりながら主体的に活動する「関係・活躍人材」の創出を目指しています 。
【現在の取り組みと今後の展開】
現在は廃校を活用した合宿や、スマート農業、ソーラーシェアリングの実証実験を推進中です 。今後は、再生可能エネルギーの仕組みづくりや太陽光パネルのリサイクルといった課題に向き合いながら、環境配慮型ワーケーションモデルを確立し、全国の他地域へ横展開していくことで、新しい関係人口の増加を目指しています。
2. 廃校リノベーションから生まれる「非日常の価値」と発想の転換

(株)ハレとケデザイン舎 植本修子 氏 https://miyoshi-satelliteoffice.jp/company/haretoke/
「注文の多い誘眠店」と発想の転換
クリエイティブ業界を経て三好市へ移住した植本氏は、廃校をリノベーションした拠点を通じて地域の課題解決と賑わい創出に取り組んでいます 。その代表例が、睡眠負債という社会課題に着目した体験型宿泊プラン『注文の多い誘眠店』です 。
高品質な寝具や食事の提供に加え、スタッフを極力介在させない「無人に近いビジネスモデル」を構築することで、非日常的な価値の創出と過疎地の人手不足解消の両立を目指しています 。

特に印象的だったのは、朝のサイレンという本来マイナスな要素を目覚ましとしてプランに組み込む「発想の転換」です 。「ピンチはヒント」という言葉通り、常識にとらわれず視点を変えることで、深刻な問題も新たな価値へと昇華させることができます 。社会課題を多角的に捉え直し、解決の糸口を見つける「問題解決」の重要性を深く学ぶ機会となりました 。
「注文の多い誘眠店」の挑戦: 現代の睡眠不足という社会課題を、自然豊かな廃校での宿泊体験に変換 。無人に近いビジネスモデルを構築することで、過疎地の深刻な人手不足の解消策としても期待されています 。
ピンチをヒントに変える思考: 朝のサイレンを「目覚まし」としてプランに組み込むなど、既存の制約を逆手に取る発想の転換こそが、社会課題を多角的に捉え直す「問題解決」の鍵となります 。
レポート担当:徳島文理大学 吉田空生 鈴木理子 畠山栞音
3. 「黄金の三角地帯」構想と、これからの時代に求められる「復業」の形

オウライ(株) 西崎健人 氏
東京でのビジネス経験を経て三好市へ移住・起業した西崎氏は、多角的な地域づくり事業を展開しています 。その代表例が、三好市・琴平町・三豊市の観光資源を繋ぐ周遊コンテンツ「黄金の三角地帯」です 。単一エリアでの集客の限界を克服するため、近隣の計350万人の観光客を回遊させることで、新たな人の往来の創出を目指しています 。
また、地域課題である人材不足を解消するため、起業家と企業を繋ぐプラットフォーム「So-Gu」や、地域中核人材を育成する「お仕事デザインラボ」などにも注力しています 。 西崎氏は、人口減少が進む中で重要なのは、単一地域に留まらず多様な人々が連携することだと説きます 。特に、複数の本業を並立させる「復業」という考え方が、今後の地方創生において大きな役割を果たすと語られました 。
地域の人や文化に向き合いながら、利益のみならず持続可能なビジネスモデルを構築しようとする姿勢から、広い視点で課題解決に挑む重要性を学びました 。
レポート担当:徳島文理大学 安部颯人 安部美咲 片山唯
4. 世界的な水資源危機を救う、自律分散型の超循環インフラ

東急(株) 後藤修平 氏
世界的な水資源不足が深刻化する中、後藤氏は「超循環型社会プロジェクト」を通じて、従来の一極集中型ではない「自律分散型」の水循環モデル構築に取り組んでいます 。各拠点で排水を最適に処理するこのモデルは、新時代の街づくりの礎となるものです 。
技術面では、化学薬品を使わず微生物の力で汚水を飲み水レベルまで浄化する「複合発酵技術」の活用を推進しています 。
宮古島での実証実験では、浄化した水をトイレの洗浄水として循環させることで、上水利用量を最大80%程度まで抑制できる可能性を示しました 。今後は、環境意識の高い欧米や安全な水が不足している発展途上国など、世界全体への普及を目指しています 。

また、自社のプロジェクトに強い自信を持ち、堂々とプレゼンをされる姿も非常に印象的でした 。専門的な技術で社会課題に挑む姿勢だけでなく、その伝え方においても、私たち学生が学ぶべき点が多くありました 。
レポート担当:徳島文理大学 金野真人 福井航平
5. 実践報告:若者の視点から挑む「防災」と「地域資源」の再定義日常。日常生活と防災の境界をなくす「シームレス」の考え方を取り入れた新しい防災備蓄食品の開発を進めています 。

開発のきっかけは、徳島文理大学生を対象としたアンケート調査です 。約80%の学生が備蓄の重要性を認識している一方で、実際に十分な備蓄ができているのはわずか15%でした 。この意識と行動の差を生んでいるのは「面倒くさい」「知識がない」「お金がない」という3つの壁です 。
これらの壁を打破するため、学生たちは以下の2つの工夫を提案しています。
三好産の地域食材の活用: 普段から食べたくなるような、三好市ならではの美味しいレトルト食品を開発します 。
収集する楽しさの付加: たくさん買い集めると「すごろく」として遊べる仕掛けをパッケージに施し、楽しみながら備蓄に取り組めるようにします 。

現在は、講演にも登壇された(株)ハレとケデザイン舎の植本修子氏らと連携し、アレルギー対応やパッケージデザインとゲーム性の両立など、商品化に向けた具体的な課題解決に取り組んでいます 。南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内に約80%とされる中、この提案は「備えができていない」という現状を打破する画期的な解決策として期待されています 。

6. 人生100年時代を生き抜く「内的キャリア」の重要性

マチアスデザイン 横山喜一郎 氏:キャリアデザイン キャリアコンサルタントの横山喜一郎氏による講演「自己理解から始まるキャリアデザイン」について、要点を整理してまとめました。
多様な職務経験を持つ横山氏は、人生100年時代において転職やリスキリングを伴う「マルチステージ」を生き抜くためのキャリアデザインについて語られました 。キャリアとは、単なる就職活動ではなく、生まれた時からの人生の動きそのものであり、授業やサークル、ボランティアといった日々の選択の積み重ねがすべてキャリア形成の一部となります 。
講演では、キャリアを捉える2つの視点が提示されました 。
外的キャリア: 肩書、職位、年収、スキルなどの客観的な指標 。
内的キャリア: 個人の価値観、やりがい、満足度といった主観的な認識 。
学生は職業や外的要素を重視しがちですが、変化の激しい時代において自分らしい未来を築くためには、この「内的キャリア」を見つめ直し、自己理解を深めることがより重要です 。具体的には、ライフラインチャートを活用して過去の満足度の変化や困難を乗り越えた経験を振り返り、自身の価値観を言語化する習慣を身につけることが有効であると紹介されました 。
この講演を通し、キャリアは日常の積み重ねであるという実感とともに、内的視点を持って自分自身を見つめ直し、変化に柔軟に対応できる力を養っていくことの大切さを学びました 。
マチアスデザイン 横山喜一郎 氏:キャリアデザイン
7:環境と経済の両立を目指す産官学の共創と地域課題解決の実践!】 「防災すごろくカレー」から「きゅうりビール」まで——学生が主体となって描く、新しい農業と地域連携のカタチ

床桜ゼミ4年生は、これまで、芋や黒米などの地域資源を活用したビールづくりや徳島県阿南市那賀川町出島地区の壁画再創造プロジェクトなど、多岐にわたる取り組みを行ってきました。現在も、きゅうりビールの制作を計画するなど、精力的に活動しています。
講演では、4年生が商工会議所やWebデザイナーと連携を取り、ビールの製造からラベルデザイン、阿波踊り会館での販売まで、学生が主体的にプロジェクトに関わる様子が紹介されました。計画・実践・課題解決というステップを踏んで、着実に商品化を推し進めていることが分かります。
今後は、地域資源を将来にわたって活用し、地域振興に最大限活かしていくことが課題です。そのためには、地域の理解・協力を得ることや、多くの人の関心を引く工夫が不可欠となります。これまでの経験を活かし、さらなる挑戦を続けていく予定です。
4年生が何事にも主体的にチャレンジしている姿がとても印象的でした。その姿からは、新しい物事に対応する力や、失敗から学んで改善しようとする姿勢など、学ぶべき点が多くあります。また、地域住民や専門家と協働することで、多くの知見や経験を得られる、というのも非常に勉強になりました。これらの学びを、現在の生活や将来の活動のなかに活かすことで、自己の成長につなげたいと思います。
レポート担当:徳島文理大学 山下竜輝 福田一樹 坪田陸
全日程の総括
今回の合宿ではウマバプロジェクトの概要や地域課題、社会課題の解決に取り組む方々のお話、キャリアデザインについて聞くことができ、これから社会に出ていく私たちにとって非常に価値ある時間となりました。そして今回は合宿初参加の学生が大半だったこともあり、最初はお互いに緊張している様子でしたが、交流会や3年生主催のカードゲームを通して普段は関わる機会のない別キャンパスの学生や企業の方と交流を深めることができました。 合宿最終日には「視野が広がった」、「自分の将来について考えるきっかけとなった」との感想が聞かれ、新たな繋がりを作る良い機会になったと感じています。
また、これから本格的な活動が始まる3年生はシームレス防災備蓄食品、4年生は新たなクラフトビール作りを予定しています。この合宿で得た学びを活かし、今後のゼミ活動も行っていきたいと思います。
レポート担当代表:徳島文理大学 樫本由衣





























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